2011年5月3日火曜日

美味しかったよ。

近所のスーパーに買出しに行く。

生鮮食品売り場。

理由も書かれず大幅に値下げ(50%以上)されている物がある。
よく見ると、産地のところに“商品に表示あり”と書かれている。

まぁ、ここまででだいたい感づく。

が、商品を手にとってみても表示が見つからない。

裏返してみる。

パッと見、見つからない。


隅のほうに。
とてもとても遠慮がちな小さなシール。


“茨城県産”の文字。



ふと、顔を上げると、“頑張ろう日本”と書かれた大きなポップ。


無性に腹が立つ。

一体どれ程の気持ちが籠ったポップなんだろうか。
気持ちが微塵も伝わってこない。

安くしてるので是非買ってください、っていう売り方ならまだ分かる。

でもよくよく見ないと値下げ理由が分からない。
産地を表記したシールの貼った面を見事に底にして並べてある。
それも小さな小さな文字が書かれた小さな小さなシール。

明らかに、バレたら売れない、何とか隠して売ろう、という姿勢が見える。


けれど、本当にそうでもしないと売れないのかもしれない。
スーパーだって商売だ。
なんとしてでも売りたい気持ちは分からなくもない。


そんな今の世の中を思うと、今度は言いようのない哀しみが込み上げてくる。


曖昧な対応。ハッキリしない基準値。
不安を煽る報道。

あと少しだけでも、明確になれば。

そう思うけれど、考えてみると難しい。

レントゲンやらCTやらと比較しても、それらは24時間365日続くものではない。
前例がなければ、どんなに考えてもそれは机上のことでしかない。
リスクを研究するにしても、コホートもケースコントロールも難しいだろう。


ぶつけようの無い怒りと、やりきれない哀しさと、
くちゃくちゃな思いが混ざり合い、
その可哀相な白菜を、私は買ってきて食べた。

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